Criteo鶏田氏に聞く、リテールメディアとCriteoのこれから
今回はCRITEO株式会社の代理店部門の責任者である鶏田さんに、業界動向や現在力を入れているリテールメディアについてお話を伺ってきました。メタップスワンは、認定代理店、データフィードのテックパートナーとしてCriteoさんと長年お付き合いをさせていただいています。インタビュワーはMD Salesチームの金森・白田・江上の3人です。
CRITEO株式会社 Head of Agency Sales & Partnerships 鶏田 薫氏
鶏田さん、本日はよろしくお願いします!早速ですが、現在の業務内容を教えてください。
よろしくお願いします。金森さんとは飲みの場でもよく会っているので、こうして改めて仕事のことを話すのはなんだか気恥ずかしいですね。
現在は営業部門で主に代理店様向き合いを担当するチームの責任者をしています。
(写真:鶏田氏)
年が明けたばかりなので(インタビュー時は1月末…)、昨年の広告主様の動向、Criteoさんの状況からお伺いしたいです。
まずコロナ渦の影響を受けていた業種については、昨年から徐々に戻ってきている感覚があります。特に人材系は昨年後半からの伸びが顕著で、不動産・旅行についても少しずつ伸びてきていますね。
反対にコロナ渦でオンラインが強くなっていたECについては、昨年後半から以前のようにオフラインでの購入も戻りつつあるようで、落ち着いています。
また、Criteo全体的なことで言えば、昨年からオーディエンスを中心としたプロダクトに注力しようという動きがあります。オーディエンスファースト戦略として、これまでのようなプロダクト軸ではなく、Criteoが持っているユーザーグラフなどのアセットをベースに、オーディエンス軸でターゲティングしていくプロダクトを今年もより一層強化していく予定です。
それは3rd Party Cookie廃止に向けた動きということでしょうか?
はい、現在でもリターゲティングのシェアはまだまだ大きいのですが、今後3rd Party Cookie廃止も予定されていますし、Lowerファネルだけではなく、Criteoのコマースデータを活用したMiddle・Upperファネル向け配信メニューを充実させ、広告主様にトータルでご満足いただけるようにしてまいります。
Criteoさんのリターゲティングのパフォーマンスが良いために、まだまだCriteo=リターゲティングと認識されている方も多くいらっしゃると思います。
その通りです。有難いことではあるのですがCriteoはリターゲティングのイメージがどうしても強いので、それ以外のメニューについても広告主様にもっと知っていただけるよう、代理店様にご協力いただきながら今後も拡販していきたいですね。
(写真:左/金森 右/白田)
最近だとリテールメディアを打ち出されているようですが、具体的にはどのような内容のプロダクトなのでしょうか?
リテールメディアは、欧米で先行していますが日本はまだまだこれからというのが現状です。
簡単に説明しますと、小売業者が保有する顧客データや購買データといったファーストパーティ・データを活用してその小売業者の店舗やメディア内で広告を表示させる仕組みのことをリテールメディアと言います。わかりやすいのはEC型のリテールメディアで、ECサイト上の商品検索結果ページに出てくる「スポンサー」枠などが該当します。
Criteoさんではどのようなことができるのでしょうか?
Criteoでは現在、様々なメーカー・ブランドが出店しているモールや家電量販店など、ECサイトを対象としてリテールメディアのソリューションを提供しています。
大規模なECサイトであっても自前でリテールメディア用のシステムを開発するというのはかなりハードルが高いようで、大手企業が自社で開発するのに莫大な費用がかかったという話も聞きます。
小売業者様はCriteoのソリューションを利用することで簡単に自社サイト上の枠をリテールメディアのインベントリとして活かすことができ、各メーカー様がそこに広告を配信していただく仕組みとなっています。
配信ロジックはどういったものになるのでしょうか?
小売業者様のファーストパーティ・データをオーディエンスに、Criteoの最適化エンジンやレコメンデーションエンジンを活用して広告を表示させることが可能です。検索結果一覧に表示されるものと、ミッドファネル(検討層)をターゲットとして活用いただけるディスプレイ広告もメニューとしてあります。
国内での導入事例はありますか?
現在は、au PAY マーケット様をはじめ、複数の小売業者様に導入いただいています。今年もいくつかリリースしていく予定です。
欧米ではリテールメディアが急成長していますが、日本でもこれからどんどん市場は伸びてくると思います。
最後に、これからCriteoさんが強化していきたいことがあれば教えてください。
Criteoでは現在グローバルなコマースメディア企業として様々なプロダクトやソリューションの開発・提供を行っています。コマースメディアとは、ユーザーの購買データや行動データを活用して最適なメディアに広告を配信する仕組みのことで、先ほどお話したリテールメディアや既存の広告メニューについても大きなコマースメディアという枠内にある広告手法の一つです。
今後はこのコマースメディア・プラットフォームという市場の中でさらにシェアを拡大し、業界をリードしていきたいですね。
鶏田さん、本日はありがとうございました!