TikTokが2024年9月24日に新たにリリースした「Search Ads Campaign」。これにより、広告主はユーザーがTikTokで検索する際の「意図」を捉えた広告戦略を実現できるようになりました。従来の動画広告とは異なり、ユーザーが何かを探している瞬間にリーチできる点がこの新しい広告タイプの特徴です。 こちらの記事では、発表されたばかりのTikTok本家のリリースの内容をベースに Search Ads Campaignの仕組みや活用方法、そのメリットについて詳しく解説していきます。

※TikTokのUSでのリリース内容なので、日本でのサービスインでは内容が異なる可能性があります

Search Ads Campaignとは？

Search Ads Campaignは、TikTok内の検索結果ページに広告を表示することができる新しい広告キャンペーンです。この機能は、キーワードターゲティングを活用して、ユーザーが検索する際に関連性の高い広告を表示することを可能にします。従来のIn-Feed Adsと比較すると、ユーザーが実際に検索しているキーワードに基づいて広告を配信できるため、高い意図を持つオーディエンスに直接アプローチできます。

すでにTikTok広告ではSearch Ads Toggle(検索連動型広告トグル)というプロダクトでも検索結果への広告掲載は行えましたが、TikTok Search Ads Campaignはよりその機能を進化させました。
ユーザー体験としてはそれほど変化はないですが、広告主にとっては、多数の新機能とターゲティング機能が利用できるようになりました。TikTokの検索画面でリスティング運用が行えるようなイメージが近いかなとリリースをみて感じました。

現在、このキャンペーンは「Traffic」と「Web Conversion」の2つの目的に対応しており、広告主はブランドの認知拡大やコンバージョン向上に活用することが可能です。

なぜTikTokのSearch Ads Campaignを使うべきなのか？

1. 高い意図を持ったユーザーとの接点

TikTokのユーザーは、動画視聴だけでなく、自分の興味や関心に基づいて検索を行っています。実際、ユーザーの57％がTikTokの検索機能を活用しており、アプリを開いて30秒以内に検索を始める人も多いです。こうしたユーザーに広告を表示することで、より高いコンバージョンが期待できます。

2. 多様な検索行動を捉える

Search Ads Campaignは、ユーザーが意図的に検索する場合や偶然見つける場合など、さまざまな検索行動に対応しています。これにより、幅広いターゲットに広告を届けることが可能となり、ユーザーの多様なニーズに応じたアプローチが可能です。

3. インクリメンタルバリューの獲得

TikTokの内部データによれば、Search AdsをIn-Feed Adsと組み合わせて運用することで、平均20％のコンバージョン増加が見込めるとされています。また、In-Feed Adを見たがすぐにはコンバージョンしなかったユーザーの18％が、その後Search Adを通じてコンバージョンに至ることも明らかになっています。

Search Ads Campaignの活用方法と特徴

キーワードターゲティング

Search Ads Campaignの最大の特徴は、キーワードターゲティングにあります。広告主は、ユーザーが検索する可能性の高いキーワードを選定し、それに基づいて広告を配信します。このため、広告が表示される瞬間はユーザーがその情報を求めているタイミングであるため、エンゲージメントやコンバージョンが高まります。

広告フォーマット

動画広告だけでなく、イメージカルーセルもサポートされており、多様なクリエイティブを活用できます。ユーザーが検索結果ページで広告に触れたとき、最も適したクリエイティブが自動的に表示されるため、効果的なエンゲージメントが期待できます。

効果的な入札と予算設定

TikTokのSearch Ads Campaignでは、効率的な入札と予算設定が求められます。推奨される予算対入札比率は20:1で、これにより広告がオークションで競争力を持ちます。

最適化の重要性

Search Ads Campaignはセットしたら終わりではなく、定期的な最適化が必要です。キーワード選定や入札価格、クリエイティブの見直しを行うことで、キャンペーンのパフォーマンスを最大化できます。

事例紹介

Glossierの成功事例

スキンケアブランドのGlossierは、Search Ads Campaignを活用することで、コンバージョン率が188％も向上しました。また、TikTok検索を通じて8,500回以上の追加クリックを獲得し、そのうち1,000件はSearch Ads Campaignによる直接的なコンバージョンでした。

Mejuriの成功事例

ジュエリーブランドMejuriは、Search Ads Campaignを活用することで、従来の広告よりも11％高いROASを達成し、CPAも88％効率的に抑えることに成功しました。この結果は、Search Ads Campaignが効率的な広告運用をサポートする有力な手段であることを示しています。

Search Ads Campaignを成功させるためのポイント

1. キーワード選定のコツ：ユーザーが検索するキーワードをしっかりとリサーチし、関連性の高いものを選定しましょう。広告グループごとに20個以上のキーワードを設定するのがおすすめです。
2. クリエイティブの工夫：検索意図にマッチした魅力的なクリエイティブを用意することで、エンゲージメントやクリック率を高めることができます。
3. 入札と予算の調整：適切な入札価格と予算を設定することで、広告オークションでの競争力を確保しましょう。
4. パフォーマンスの定期的な見直し：Search Ads Campaignは長期にわたる運用が可能なため、定期的に見直しと最適化を行うことで効果を維持・向上させることが重要です。

Search Ads Campaignの設定手順

1. TikTok Ads Managerでの設定：まず、TikTok Ads Managerで「Web Conversion」または「Traffic」のキャンペーン目的を選択し、「Search Campaign」を選びます。
2. キーワードのリサーチと選択：キーワード提案ツールを活用し、適切なキーワードを選定します。ネガティブキーワードの設定も可能です。
3. クリエイティブの設定：動画やイメージカルーセルを活用し、広告を作成します。システムが最適なクリエイティブをユーザーに表示するため、複数のフォーマットを組み合わせて活用するのが効果的です。

まとめ

TikTokのSearch Ads Campaignは、ユーザーの検索意図を的確に捉え、効果的な広告配信を実現する新しい広告手法です。ユーザーの興味や関心に寄り添った広告を提供することで、コンバージョン率の向上や効率的な広告運用が期待できます。今後、検索広告のトレンドをリードする存在となる可能性を秘めているSearch Ads Campaignですが、日本市場へのリリースが待ち遠しいですね