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2026年5月19日

「いいね」より「滞在時間」。Xアルゴリズム5月版アップデートの要点まとめ

この記事は、Xが公開しているおすすめアルゴリズムのソースコード(1月版・5月版)を直接読み解いた内容をもとにしています。


「なんであの投稿が伸びるんだろう」って思ったことありませんか?

フォロワーがそれほど多くないのに、なぜか何万いいねされている投稿。逆に、頑張って書いたのにほとんど誰にも届かなかった投稿。

「運じゃないの?」と思いたくなりますよね。でも実は、Xのアルゴリズムはかなり具体的なルールで動いていて、そのコードはGitHubで公開されています。

1月に最初のアルゴリズムが公開されましたが、5月に最新のアルゴリズムにアップデートされました。今回はそのコードをじっくり読んで、「投稿が評価される仕組み」をできるだけわかりやすくまとめてみました。特に1月版から5月版への変化に注目すると、「最近なんか伸び方が変わった気がする」という感覚の理由が見えてくるかもしれません。


そもそも、Xはどうやって「おすすめ」を決めているのか

まずは基本の流れから整理しておきましょう。Xには毎日膨大な数の投稿が流れています。あなたの「おすすめ」タブに30〜40件が表示されるまでに、裏側では大きく3つのステップが動いています。

ステップ1:5億件の中から200件に絞る

Xはまず、あなたの過去の行動(どんな投稿にいいねしたか、どんな内容をよく見ているか)をもとに、「この人が好きそうな投稿」を全体から高速に探し出します。この段階で200件まで絞り込まれるイメージです。

ステップ2:200件にスコアをつける

次に、その200件のそれぞれに対して「あなたがこの投稿にどう反応しそうか」をAIが予測します。いいねしそうか、返信しそうか、逆に無視しそうか。これをもとにスコアがつけられるわけです。

ステップ3:不適切なものを除いて表示

スパムや暴力的なコンテンツを除外して、広告も混ぜながら、最終的にあなたのフィードに並ぶ投稿が決まります。


AIは19種類の「あなたの行動」を予測している

Xのシステムは、投稿を見たあなたが「次にどんな行動をとるか」を 19種類 の指標をもとに確率的に予測しています。

高評価につながる行動

行動 重要度のイメージ
いいね ★★★★★ 最重要
返信 ★★★★
リツイート・引用RT ★★★
投稿を開いてじっくり読む ★★★
プロフィールをクリックする ★★
DMで誰かに共有する ★★
著者をフォローする ★★

マイナス評価になる行動

  • 「興味なし」を押す
  • 著者をブロックする
  • ミュートする
  • スパム報告する
  • ほとんど見ずにスクロールで流す(5月版から新規追加)

「ほとんど見ずに流した」というシグナルが5月版から新たに追加されました。明示的に「嫌い」と押さなくても、「素通り」しただけでマイナスになるようになりました。これは後で詳しく説明します。


1月版から5月版で何が変わったのか

ここからが本題です。コードの変化から見えてきた「5つの重要な変化」を順番に見ていきましょう。


変化① 「いいね」より重要?読まれた「深さ」を計測

1月版のスコア計算は、わりとシンプルでした。

スコア = いいね × 1.0
       + 返信  × 0.5
       + RT    × 0.3
       + 滞留  × 0.2

つまり「何かアクションされたかどうか」が主な評価軸だったんですね。5月版では、これが大きく変わっています。新しく計測されるようになったのが以下の3つです。

  • 動画を何秒見続けたかvideo_watch_time
  • 投稿をどこまでスクロールして読んだかscroll_depth
  • クリックして開いた後、何秒滞在したかclick_dwell_time

「いいねはしなかったけど、最後まで読んでもらえた投稿」もちゃんと評価されるようになった、と考えていいかもしれません。

💡投稿に活かすなら

「最後まで読まれる構成」を意識してみてください。テキスト投稿なら、最初の一文で続きを読みたくなるような問いかけや驚きを入れる。動画なら、最後まで見たくなる展開にする。そういった工夫が、以前より直接スコアに反映されやすくなっているはずです。


変化② スクロールで流されると「即マイナス評価」

5月版では not_dwelled_score(ほぼ見ずに流した) という指標が追加されました。これ、結構大事なポイントかもしれません。

たとえば、バズりそうなキーワードを入れて多くの人に表示されたとしても、みんなにスルーされていたら、「この投稿は価値がなかった」と判定されてしまうわけです。

💡投稿に活かすなら

インプレッション(表示回数)を増やすことより、「表示されたときに読んでもらえるか」の方が大事になってきています。クリックベイト的なタイトルで引き込んでも、中身がなければ逆効果になりえるでしょう。


変化③ 拡散の鍵は「引用RT」への単独高評価

1月版では引用RTはほかのアクションとほぼ同列でしたが、5月版では専用の評価項目が増えています。

  • 引用RTのスコアが独立して計測される
  • 引用元に動画がある場合、その動画の視聴時間も評価に加わる
  • 引用RTを促す投稿かどうかがより細かく判定される

💡 投稿に活かすなら

「あなたならどう思いますか?」「これ、どう感じましたか?」といった、読んだ人が意見を言いたくなるような問いかけを含む投稿は、引用RTを生みやすく、評価が上がりやすい構造になっているかもしれません。


変化④ 「何でも屋」は即終了?トピック一貫性の強化

5月版では「トピック」への対応が大幅に強化されました。Xは投稿の内容を見て「この投稿はどのジャンルか」を自動で判定し、そのジャンルに興味を持っているユーザーに優先的に届けるようになっています。

この判定精度が上がったということは、「同じジャンルの投稿を継続しているアカウント」ほど、そのジャンルに関心の高いユーザーに届きやすくなっているはずです。

💡 投稿に活かすなら

複数のジャンルを混在させるよりも、テーマを絞って継続的に投稿する方が「このアカウントはこのトピックの専門家」と認識されやすく、ターゲットに届くスピードが上がるかもしれません。


変化⑤ 小手先の裏技を破壊する新AI「Grox」の衝撃

これが5月版最大の変化かもしれません。1月版にはなかった Grox(グロックス) というシステムが丸ごと追加されました。投稿の内容を「意味レベルで理解・分類する」仕組みです。

従来のスパム検知は「特定の単語が含まれているか」という表面的なチェックが中心でした。Groxは違います。文章全体の意味を読み取って「この投稿は本当に価値あるコンテンツか、それともスパムか」を判定するんですね。

💡投稿に活かすなら

言葉を少し変えてフィルタをすり抜ける、といった小手先のテクニックは効果が薄くなっているでしょう。中身のある投稿をコツコツ積み上げていく、という正攻法がより重要になってきています。


まとめ:5月版アルゴリズムが教えてくれること

5つの変化を整理するとこうなります。

変化 投稿への影響
「読んだ深さ」を計測 最後まで読まれる内容・構成が大事
スルーがマイナスに 表示回数より読まれる質を優先
引用RTの重視 意見を引き出す問いかけが有効
トピック判定の精度向上 テーマを絞った一貫性のある投稿が有利
内容の意味を読むAI追加 小手先のテクニックより本質的な質が重要

1月版から5月版への変化を一言で言い表すなら、「どれだけアクションされたかから、どれだけ真剣に見てもらえたかへの進化」かもしれません。

バズを狙うよりも、読んだ人にとって価値があって、最後まで読みたくなるコンテンツを作ること。それがアルゴリズムの変化と、もっとも自然に向き合える方法だと思います。難しそうに聞こえるかもしれませんが、Webでも言われている「良いコンテンツを作る」というシンプルな原則に立ち返っているのかもしれません。


※ 本記事はGitHubで公開されているXのアルゴリズムコードの解析に基づいています。実際の本番環境で使われているパラメータの数値は非公開であり、実際の挙動と異なる部分がある可能性があります。

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