2025年7月3日

M1カルチャーその壱(大人な文化)

メタップスワンは、できたてのスタートアップでもなければ、大企業でもありません。
人数規模的には中堅企業に近いかもしれませんが、中堅企業というと、言葉の響きからして中途半端な印象がして、ちょっと違う気がします。

あえて言語化すると、「大人が集まったプロフェッショナル集団」を目指していますし、徐々にそうなりつつあると思います。

元々、上場企業の子会社だったこともあり、遵法のための管理体制は相当なレベルで整備されています。
就業規則は定期的に更新されていていますし、残業代もきちんと記録され、支払われています。
必要最低限の管理ルールは必要です。

しかし、あえて、意識して、細かい規則やルールをつくりすぎないように運営しています。
たとえば、こういう質問が来たとします。

・会社に行くときの服装ですが、暑い夏は短パンでもいいでしょうか?
・昼、仲間内でチームランチをするとき、ビールを飲んでもいいですか?
・プライベートの電話がかかってきたんですが、都度、休憩時間に入れたほうが良いでしょうか?

はい、大人の判断でご対応ください〜と伝えています。

何をしても良い、ということではありません。
大人としての規律、プロフェッショナルとしての自覚をもって、原理原則に従って各々ご判断いただいて大丈夫です、という感じです。

法三章

ちょっとばかり、昔話をします。

古代中国に、秦という国がありました(秦の始皇帝で有名な秦ですね)。
秦の法は非常に厳格で、官僚の力も強く、腐敗も進み、多くの人々が苦しみ、民衆が反乱しました。

「項羽と劉邦」で有名な劉邦が挙兵し、中国を統一し、漢という国ができました。
劉邦(高祖)は、漢のルールをつくるとき、秦の苛烈な法を廃止し、簡潔な3つのルール「法三章」を定めました。

  • 人を殺した者は死刑に処す
  • 人を傷つけたり、盗みを働いたりした者は、それ相応の刑罰を科す
  • それ以外の秦の法律は廃止する

これは、秦の法に苦しんだ民衆の人心を掌握しようとした高祖の政治パフォーマンスだと言われています。

シンプルですが、この三章、含蓄深いと思いませんか?
がんじがらめのルールに苦しんだ後だけに、これだけでいいよと言われると、新しい時代が到来したなぁと喜ぶ民衆の姿がイメージできますよね。

さて、当然ながら、この法三章だけで国が治まるほど政治は簡単ではありません。
人間社会ですので、争いはなくなりませんし、問題も常に起きます。
法三章では国家運営に支障が出たため、実務的には、秦の法律の中から適切なものを選び取って九章律というものに発展しました。

それでも、漢の初期は、前の秦に比べると刑罰はずいぶんと軽くなったようです。
高祖の、簡素で寛大な法で民を治めるという精神や理念がしばらくは受け継がれ、政治も安定していたようです。

ちなみに、漢も、時代を経るごとに次第に法体系が整備され、罰則も厳しくなっていきました。
再び官僚的な社会が到来し、腐敗も進み、窮屈な世界になり、民衆が反乱し、曹操や劉備などが挙兵しました(三国志の時代ですね)。

漢も、最後は秦と同じ運命になりました。
その後も、歴史は繰り返しながら、あるいは韻を踏みながら現代まで続いているようにみえます。

メタップスワンにとっての法三章

現代に戻ります。

スタートアップなどのように会社の初期では、ルールとか規則はあまり制定されないことが多いと思います。
初期は生きていくことに必死で、売上を上げることに集中し、細かい管理に目を向ける余裕がないこともありますが、そもそもスタートアップに集まる人たちの性格上、ルールや規則に縛られずにガンガン行こうぜ的な人たちが多いといった理由などもあると思います。

やがて、初期の喧騒が落ち着いてくると、なにかと問題が起きたりして、再発防止策が取られて、自然の摂理のようにルールが増えていきます。
管理もきちんとしなきゃねということで、規則もどんどん増えます。

年月が経ち、気がつくと、ルールや規則だらけになりがちです。
規模を問わず、大企業病に陥る会社もあるのではないでしょうか。

メタップスワンにおいては、最低限のルールは必要としつつ、大企業病は避けたいです。
ですので、簡素な原理原則を設けて、あえて必要以上にルールや規則をつくらないように意識して運営しています。

そして、それでいいよね、それがいいよね、という感性をもったメンバーだけで構成された会社を維持したいと思っています。
そういうわけで、メタップスワンは、大人が集まったプロフェッショナル集団を目指し、維持し、迷ったら大人の判断でいこう、としています。

大人の判断って?

何をもって大人の判断とするか?

これが、なかなか簡単ではありません。
一例として、「盛夏に取引先に伺う際、どんな服を着れば良いか?」というテーマを深ぼってみます。

さすがに、短パン&サンダルで行く人はいないでしょう(笑)。

では、汗ダラダラを覚悟でスーツにネクタイで行くのが正解か?
それとも涼しいビジネスカジュアルとかジャケパンのようなスタイルが良いか?
ポロシャツではダメなのか?

回答としては、相手によるというか、TPOで判断しよう、で良い気がします。
さらに質問を増やしてみます。

相手が銀行の方で、借入に行く際は?
相手が若い媒体社の担当者で、普段から涼しげなファッションをしている方で、打ち解けた話をしたいと思っていた場合は?
クライアントに初めてお会いする際は?
クライアントに謝罪に行く際は?
接待でゴルフに行く際は?

もう、キリがないですよね。
都度、大人の判断でTPOを守ればいいのではないか、と。

こういう感性は曖昧なものですので、当然ながらメタップスワン社内でもズレが発生するときはあります。
都度、こういうときはこうしようか、と確認しあうことで特段の問題は起きていません。

 

次、「ランチでお酒を飲んでも良いか?」

これも大人の判断でいいですよ、としています。

ちなみに、私含めお酒が好きな人が多いので、新しい方との歓迎ランチでは昼間からお酒を飲むことが多いです。
新しい方にも「大人の判断でどうぞ」とお伝えしています。
少しでも和んだ雰囲気にしたいと思ってそうしていますが、単に飲みたいから正当化しているだけじゃないか、と言われると、そうかもしれません(笑)。

もちろん、お酒が弱い方は飲みませんし、私含め仕事に支障が出ると良くない日は飲まないなどの規律はあります。
そんな感じで、そのときどきの状況で判断すれば良いと思います。

 

メタップスワンは、こういう文化です。

あえて曖昧さを好む日本的な文化かもしれません。

ルールや規則がカチッと制定されていないと不安になる方は、きちんとした大企業、役所、外資系企業などに行かれたほうが幸せかもしれません。

採用のマッチングは、会社が応募者を選ぶように、応募者も企業を選びます。
良いか悪いかではなく、、正解か不正解かでもなく、合うか合わないか、だと思います。

そういう社風ですが、合いそうだなぁと思われましたら、ぜひ、ご応募いただけると嬉しいです。

クッキー(Cookie)機能を有効にして再度アクセスしてください
(追跡・トラッキング用途のサードパーティークッキーを除く)