コーポレート ヒストリー
2022年11月1日

【第4回】メタップスワンの成り立ち -合併前後編-

今回はメタップスワン(M1)の成り立ちシリーズ最終回の「合併前後編」をお届けします。

 

前回までは「ビカム」「エンジン」「アズアンドコー」がメタップスグループ入りを果たすまでのお話を伺いました。そこから3社合併が決まったのはいつ頃ですか?

高木

ビカム、エンジン、アズアンドコーと、広告運用に必要な機能がひととおり揃い、当初思い描いていた「メタップスマーケティング構想」のベースが固まりました。実はアズアンドコーの買収の時から3社合併を前提に考えていたのもあって、買収後すぐに話を進めていきました。

杉崎

当時、佐藤さん(メタップス創業者)や山﨑さん(現メタップス代表取締役、当社取締役)も合併には賛成してくれていたので、その辺りはすごくやりやすかったですよね。

 

社内からは合併についてどういった意見が出たのでしょうか?

高木

正直言うと、社内からは反対意見が多々ありましたね。やはり3社の文化の違いが大きかったですし、移転やら社名変更やらと環境もがらりと変わってしまうことも不安材料の一つとなっていました。

杉崎

アズアンドコー出身の管理部の方がそのタイミングで退職されたこともあって、ビカム出身の管理部の方に業務負荷が全て集中したりと、実務的な弊害も起こりましたね。

高木

ですね。アズアンドコー出身で当時は業務推進を担当していた方が自ら経理をやりますと申し出てくれました。色々な課題や困難がある中だったので、管理面が2人体制になり、助かりました。この2人が、合併を成功に導いた立役者だったと断言できます。今でも40人程度の会社の管理をその2人で行っていただいていますが、仕事が丁寧でスピードも速く、この2人がいないと会社が成り立たないくらいです。
他にも課題はたくさんありましたが、ある案件でダイナミック広告提案を一緒にこなしたりするなどお互いが貢献しあう機会が増えていったことで、自然にシナジーがうまれたりしました。
ちなみに、3社に共通していることがあるんです。飲み好きなメンバーが多いんですよね。2019年に全社で新橋で飲んだ後とか、妙にまとまったりしましたね。
僕らが「はい、これから仲良くしてね」と言ったところで簡単には交わりませんが、混ざるときは勝手に混ざるんだなぁと学ぶ思いがしました。合併して1年くらい経って、ようやく、なんだかんだで合併してよかったねという空気になっていった気がします。

(写真/左:杉崎、右:高木)

 

ちなみに、合併後に社名が「メタップスワン(M1)」となりましたが、どういった経緯で決まったのでしょうか?

杉崎

「メタップスマーケティング」といった社名も候補に挙がりましたが、ひとまず社員のみんなの意見も聞こうということで社内公募を行ったんですよね。

高木

はい。実は最終的に僕の案である「メタップスワン(M1)」に決定しました。3社それぞれ生まれも育ちも違えど心はひとつに、という想いを込めています。文化の違いもいっぱいあるけど、みんな大人のプロフェッショナルとしてまとまっていこうよ、と。
その年、ラグビーの「ワンチーム」という言葉が流行しましたが、実はその先を行っていました。記憶がおぼろげですが、マネはしていません(笑)

 

そうして2019年の1月に「メタップスワン(M1)」としてスタートしました。先ほどから「文化の違い」という話が出ていますが、どういった部分でそう感じましたか?

高木

3社はオンラインのマーケティング事業を営んでいるということだけを除き、給与や評価の決定基準や、働き方、服装、会議体など、ありとあらゆることがバラバラでした。特にアズアンドコーは、ノートPC禁止、直行直帰禁止、原則スーツ、といった制度がありました。朝礼もあったりなかったりでした。
アズアンドコーのメンバー全員と1on1で話して意見を聞いてまわった結果、これらの文化は実情にあわせて変更しました。朝礼廃止、ノートPC許可、直行直帰OK、服装も大人のプロフェッショナルという前提でTPO運用に切り替えました。
渋谷オフィスに移転する際は、コロナ禍でリモートワーク中心になったということもあって、デスクトップPCからノートPCに統一しました。

杉崎

特にアズアンドコーは、元々あった厳しいルールの廃止が多かったので、社員のみんなからはむしろ大歓迎された感じがしますね。そういうこともあって、スムーズに統合されたと思います。

高木

そもそも、生まれも育ちも全く違う3社なので、一気に融合することなんて無理だと思っていました。ですので、性急にことを進めないようにしました。3年くらいかけてじっくり取り組みましたね。
僕が一番こだわったのは、親会社であるメタップスのルールや制度を無理やり押し付けないということでした。もちろん是々非々で良いところは取り入れましたが、M1の良さが失われそうなルールや制度は独自で考え抜いて実行しました。言うは易しですが、この辺り、調整調整の毎日で、本当に大変でした(笑)

 

大変だったことはどんなことでしたか?

高木

評価報酬が最大の課題でしたね。当初は給与水準や評価制度に関して大勢のコンセンサスが必要でした。ある会議で、冒頭の1人の給与についてだけで30分以上かかったりしました。
もちろん、皆さんの意見にはすべて一理あり、正論だと思うことも多かったのですが、全員の声をすべて拾っていると「船頭多くして船山に登る」状態になりそうでした。このテーマだけで莫大な時間がかかっていて、営業活動に専念できないくらいでした。これは腰を据えて整理しないとまずいな、と。
そういうこともあり、合併後は早々に人事報酬制度の体系化に集中し、外部コンサルを雇って徹底的に取り組みました。すべて終えるまでに半年以上かかりましたね。
今では、大まかなことは山﨑さんと話すことでスピーディーに進んでいますし、評価報酬についても原さん(メタップス常務執行役員、当社取締役)に総合的にチェックをいただいて、スムーズにすり合わせができていると感じています。
ちなみに、この人事報酬制度は現在も比較的うまくいっているのですが、運用してから3年くらい経つ中で、新たな課題も出てきました。これらの課題を1つ1つ改善してよりよい制度にしようと、今、経営陣で毎週のように議論しています。うちの経営陣は腹を割って話せる関係なので、これはこれで楽しい作業ですね。

コロナ前とコロナ後、何か働き方や考え方は変わりましたか?

高木

劇的に変わりましたよね。コロナ前はエンジニアが週に1回自宅で働ける制度(Work at Home)があって、これでも先進的だとか甘いとか言われていましたが、今や週に1回程度の出社になるなど、逆転しているんですよね。これってすごい変化だなぁと。
できたばかりの会社だったらこんな働き方は難しかったかもしれませんが、大人のメンバーが多い会社なので、それぞれが節度を持って働いてくれているからこそ、今の働き方でもうまくいっているのだと思います。

 

合併直後と現在でいうと、社内の雰囲気は変わりましたか?

杉崎

それも変わったと思います。それこそ合併してからしばらくは各社それぞれの村で過ごしているような形で、交流もなかなかありませんでしたが、現在は合併後に入社してきた方も増えましたし、部門を横断するようなプロジェクトができてきたりと、うまく交わってきているなと感じています。

高木

(このM1ブログを書いている)広報・採用チームも、旧3社のメンバーが1人ずつ関わったチーム構成になっているけど、ほんと、みんな仲がいいよね(笑)
合併後にバスから降りた方もいらっしゃいます。結果的にM1の文化に合った人だけが残っていって、かえって雰囲気も良くなりましたね。
もちろん、今でもときどき「どこどこ村」って単語は出ます(笑)しかし仲が良いことは良いことですし、それぞれの村にも新しいプロパーメンバーが増えたり移動が発生したりして、だんだん境界がなくなりつつある感じがします。このまま、無理せず、自然の流れで進化すれば良いと思っています。

 

今メタップスワンはどんなフェーズにいますか?

高木

杉崎さんお先にどうぞ(笑)

杉崎

はい(笑)合併から4年程度ですが、やっと色々と落ち着いてきましたね。2021年に続いて2022年も収益目標達成で着地しようとしていて、成長する為の地固めは完了した感触はあります。そうなった時に、次に必要になるのは第三の収益源だと思っています。財務状況としても良い時期ですし、会社の雰囲気も良くなっているので、今がちょうど会社としての変革期なのかなと。

高木

杉崎さんの仰る通りだと思います。会社としても、何もしないと成熟期になりつつあるので、既存は既存できちんと伸ばしつつ、新しいプロダクトの開発に今後もチャレンジしていく必要があると思っています。
実は、会社としてのビジョンはあえて作らないようにしているんです。元々、3社が合併して創られた会社ということもあって、急にまとまった旗を作るフェーズではないなと思ったからです。事業をしつつ、自然発生的にビジョンが滲み出てくるフェーズになったら、みんなで徹底的に議論して決めたいと思っています。
一方で、バリューといいますか、M1として重視する価値観は合併の際にまとめました。「プロフェッショナル」「チャレンジ」「エンジョイ」の3つの価値観です。これは評価にも反映されるキーワードですが、4年程度経って、少しずつ浸透してきたように思います。多分。


(写真/WeWork渋谷共有スペース)

 

最後に、現在力を入れている採用について聞かせてください。今後どういった人を採用していきたいですか?また、何人くらいの組織を目指していますか?

杉崎

そうですね、例えばゆくゆく事業部長になれるような人たちを採用していきたいとは考えています。第二のJunさんや齋藤さんになるような・・。

高木

そういう人、喉から手が出るほど欲しいですね。
ちなみに、何人規模の会社にしたいといったような目標は設定していないです。どちらかというと、一人ひとりが生産性をあげて、高収益高収入でやっていける方がM1にはあっていると思います。うちは装置産業ではなく、人がすべてですし。今後も少数精鋭でコツコツと環境変化にあわせて進化すれば良いと思っています。

 

高木さん、杉崎さんありがとうございました。メタップスワンの成り立ちシリーズは今回で完結です!今後もメタップスワンを知っていただくための記事を書いていきますので、お楽しみに。

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